TENKOUSAKI NO SEISOKAREN NA BISYOUJO GA,
MUKASHI DANSHI TO OMOTTE ISSYO NI ASONDA OSANANAJIMI DATTA KEN
『始まりの、夏の日』
霧島隼人には幼い頃、よく一緒に遊んだ幼馴染がいた。その子の名前は"はるき"。楽しい日々は"はるき"の引越しによって終わりを告げたが、別れ際に2人は約束を交わしていた。「離れていてもずっと友達だ」――7年後、都会の高校に転入した隼人は、清楚可憐な美少女・二階堂春希と出会う。クラスメイトに自己紹介しながら、やんちゃだった"はるき"の思い出を語る隼人。しかし、彼の話を聞いた春希はなぜか不機嫌になってしまう。戸惑う隼人に春希は…。
『恋バナは、苦手だ』
クラスの女子から恋愛の噂話を振られ、顔色が冴えない春希。機転を利かせた隼人が教室から連れ出すと、ホッとした春希は恋バナが苦手だと打ち明ける。クラスメイトの前では優等生を演じているが、隼人と2人きりになると幼い頃のように無邪気な春希。準備室でお互いの弁当の一部をトレードして食べていると、窓の外から人の声が聞こえてきた。どうやら先輩を誘い出した女子生徒が告白をしているようで…。
『姫子の、プロデュース』
初めて夜のコンビニに行った隼人と姫子は偶然、春希に会う。7年ぶりの再会に盛り上がった春希と姫子は連絡先を交換。寝不足になるまでメッセージのやりとりを楽しんだのだった。翌日の放課後、隼人と姫子は春希の家を訪問。姫子は、男の子のような服ばかり持っている春希のイメチェン計画を思いつく。
一方、キッチンに向かった隼人はそこに広がる光景を見て表情を変える。慌ててごまかそうとする春希の腕を引き、隼人が向かった先は…。
『小さな手のひら、大きな背中』
スマホを買うため、都心で待ち合わせをした隼人と春希。メイクもファッションも気合い十分の春希に、隼人は思わずドキドキしてしまう。ようやくスマホを手に入れた2人が街を散策していると、道端にできた人だかりに遭遇する。それは人気ドラマの撮影を見るために集まった人々だった。主演女優・田倉真央の名前を聞いた途端、春希の表情が凍りつく。春希が抱えているものとは…。
『律せよ、乙女』
みなもと仲良く話す隼人を見てなぜか不安になる春希。一方、隼人はモテる事で有名なサッカー部の海童一輝の本命が春希らしいとの噂を聞いてうろたえる。幼馴染の関係が微妙に変化し、お互いを意識し始めた2人。そんな中、春希と姫子は体重が増えてしまったことにショックを受け、ダイエットを宣言する。食事メニューに悩んだ隼人は、地元に住む姫子の友人・沙紀にアドバイスを求めるが…。
『擬態、どうしたんだよ!?』
教室から春希を連れ出した一輝のあとを咄嗟に追いかける隼人。なぜかムキになった勢いで一輝に土いじりの素晴らしさを力説する。思わず素の姿で大笑いして、擬態がバレそうになる春希。そんな春希の素の姿を引き出せる隼人に、一輝は興味を持ち始める。
『特別、だから』
隼人、春希、姫子の3人は巨大スクリーンのある映画館へ行くことに。春希は映画が楽しみで仕方ないらしく、ウキウキしていた。そんなある日、父からの荷物を受け取った隼人は、入院している母のもとを訪れる。病院では、祖父のお見舞いに来ていたみなもが隼人の母に髪を編んでもらっていた。後遺症が残る母を目の当たりにした隼人は、何もできなかった過去の自分を思い出し、苦い気持ちになる。
『心の、居場所』
待ちに待った映画の日。いつもと雰囲気の違う春希を意識してしまい、隼人は顔を赤らめる。偶然出会った一輝もなりゆきで仲間に加わり、4人で映画を鑑賞。興奮冷めやらぬ春希は演技の才能を披露し、周囲から注目を浴びる。奇しくもその劇場では、田倉真央が主演映画の舞台挨拶をすることになっていた。扉の向こうから現れた真央に気づき、隼人は春希の手を引いて走り出す。
『本当の、特別』
みなもはずぶ濡れの春希を放っておけず、自分の家に連れていく。お互いの境遇から心を通わせ合う春希とみなも。その時、心配した隼人が春希に電話をかけてきた。複雑な家庭の事情を告白する春希。いてもたってもいられず、春希を迎えに行こうとする隼人だったが、春希はそれを穏やかに拒絶する。「ボクはね、隼人の本当の特別になれるよう、もっと強く変わりたい。」
『友達、だよね』
隼人はクラスメイトの伊織から、試験明けにみんなでプールへ行こうと誘われる。春希にも声をかけるよう頼まれたものの、当の春希はあまり気が進まない様子で…。時を同じくして隼人、春希、姫子、そして沙紀の4人は月野瀬のグループチャットで交流するようになっていた。隼人と沙紀の微笑ましいやりとりに、なぜか春希はモヤモヤしてしまう。
『二人、一緒なら』
和菓子店でバイトすることになった隼人と春希。テキパキと手際よく仕事をこなす隼人に対し、春希は慣れない接客業に手こずり、ミスをしてしまう。後日、春希と姫子はクラスメイトの恵麻と水着を買いに行った商業施設で人気モデル・佐藤愛梨のイベントに遭遇。春希はイベント関係者として現場に来ていたある男に呼び止められる。その男は以前、病院で春希の腕を掴んできた男だった。
『これからの、始まり』
プールにやって来た隼人たちはアトラクションを満喫。泳げない春希の練習に付き合った隼人は、改めて春希が女の子であることを意識する。数日後、月野瀬に帰省した隼人、春希、姫子は沙紀と再会を果たす。その夜、月野瀬神社の古い社殿には、幼い頃のように並んで座る隼人と春希の姿があった。少年と少女、成長した心と身体、変わりゆく関係と変わらない想い。2人にとって新しい何かが始まろうとしていた。